知財学習帳

知財について学んだこと

ブロックチェーンと特許

ブロックチェーンを利用した新たなサービスを提供しようと頑張っている若い人達と話していて、特許についての理解が不足しているように感じたので、応援のために少し書いておきます。

 

ブロックチェーンは、世界中の開発者がコラボし、開発がオープンに進むことで、早いペースで技術が進歩しているものと思います。

 

しかし、その一方で、ブロックチェーンに関する技術について独占的な権利を得ようと特許出願をしている人もいます。

 

近い将来、世界のどこかでブロックチェーンに関する技術の特許を侵害したとして訴訟が提起されることでしょう。

 

開発者としては「みんなで開発したのだから、特許によって特定の人が独占するのはおかしい」と考えるかもしれません。

 

しかし、特許が法律で認められている以上、他人の特許発明を勝手に使用すれば、その人が「悪」、特許権者が「善」ということになります。特許権の侵害があった場合、その技術を使用できなくなり、特許権者に損害が発生していれば賠償金を支払うことになり、社会的な信用を失い、取引先にも相手にされなくなります。

 

このようなことはブロックチェーンに限ったことではなく、複数の企業が共同で発明を完成させるような場合にも起きていることです。「共同で開発したのだから我々全員の技術だろう」と考えていると、一部の企業がこっそり特許出願していたりします。

 

「我々の仲間にそんな奴はいない」と考えるかもしれません。しかし、世の中には特許を悪用して多額の賠償金を得ようとする「パテントトロール」と呼ばれる会社もあります。特許を取らずにオープンに開発するという環境は、パテントトロールにとって絶好の「猟場」となります。

 

では、どうしたら良いのでしょうか。

 

ある投資銀行はブロックチェーンに関する技術について特許出願を行っています。しかし、その投資銀行は、あくまで「防衛的な特許出願」と考えています。

 

「防衛的な特許出願」というのは、他者の特許の成立を防ぐための特許出願や、自分がその技術を使う権利を得るための特許出願のことを言います。特許を取得したとしても、その技術を他の人に使ってもらいたいのであれば、無償で特許を開放することもできます。

 

現状はこれしかないように思います。

 

ブロックチェーンの開発者の中には、中央集権的な社会に疑問を持ち「特許なんてけしからん」と考える人が多いのかもしれません。

 

しかし、現実は現実です。理想とする社会を実現する前に、現実の社会に潰されてしまうことがないよう十分に注意してください。

 

こちらもご参照ください。

fortune.com