知財学習帳

知財について学んだこと

トランプ大統領の任期内の知財戦略の特許に関する部分の概要

イノベーションと技術的アドバンテージのサポート:国内および外国での効果的かつ予測可能な特許保護のためのツールの必要性。

特許集約型産業は、米国経済の原動力である。最近の商務省の報告書によると、2014年の特許集約型産業の付加価値は8,810億ドルで、米国の国内総生産GDP)の5.1%だった。研究開発への投資を促進する効率的かつ予測可能な特許保護政策を支持することは、革新的経済の継続的な成長にとって重要である。特許や企業秘密を含む知的財産権を保護するための効果的な仕組みがなければ、競合他社は発明やイノベーションに必要な時間とリソースを投資せず、単に傍観してコピーするだけである。研究開発は、そのような投資が商業的に利用される保障がない、よりリスクの高い投資である。簡単に言えば、効率的かつ予測可能な特許保護政策を促進することは、イノベーターの原動力と創造性を活用し、経済が革新的で競争力のあるものになることを確実にする。

1. 国内特許保護の強化。

強力な特許権をサポートし、イノベーション起業家精神に報酬を与え、濫用的な特許訴訟の発生を最小限に抑えるバランスのとれた政策は、効果的な特許制度の鍵である。USPTOの指導力が強調しているように、特許の質は、米国憲法が「科学と有用な芸術の進歩を促進する」と述べた米国の特許制度の目的を達成する上で中心的なものである。高品質の特許は、効率的なライセンス供与、研究開発への投資、将来のイノベーションを促進する。特許所有者と公衆は、発行された特許の境界の明確な通知を有することから利益を得る。

USPTOの強化された特許品質イニシアチブは、特許審査プロセスの全段階で特許品質に関するベストプラクティスを制度化する上で基本的な役割を果たす。このイニシアチブは、特許審査官が利用可能な検索ツールを認識し、関連する先行技術を特定するためのリソースを向上させ、訴訟記録の明確性を高めるためのベストプラクティスを特定し、 将来の意思決定を容易にする特許審査官の作業成果物の正確性および明瞭性に関するデータをキャプチャする。当初の品質審査のプラクティスは、特許システムへの自信を深め、イノベーションを促進する上で重要である。

高品質な特許の開発を支援することは、費用がかかり往々にして不必要な訴訟につながる可能性のある問題を減らすのに役立つ。近年、特許アサーションエンティティ(PAE)またはノンプラクティショニングエンティティ(NPE)と呼ばれる特定の企業による、濫用的な特許訴訟の戦術に近年注目を集めている。法的精査の対象となる場合には不適用か無効とみなされる可能性のある特許クレームに基づいて、会社を脅迫し、不当なライセンス料または和解を引き出す乱用的な訴訟戦術が用いられると報告されている。

この戦略計画の発行直前に、連邦取引委員会は、「特許アサーション・エンティティ活動:FTC調査」ーFTC法第6条(b)に基づく機関の権限を使用している団体からの2009-2014年の非公開情報とデータの調査ーを発効した。FTCはPAEのビジネス慣行に焦点を当て、継続的な政策討議のために追加の経験的基礎を備えたPAEの理解を強化している。

近年、米国特許制度は、特許における濫用的な訴訟戦術の削減に重点を置いたいくつかの重要な変更がなされている。これらの変更には、特許適格主題に影響を及ぼす米国最高裁判決、米国発明法(AIA)によって制定されたUSPTOにおける新たな助成後審査手続の実施、特許事件の主張基準を掲げる民事訴訟の連邦規則の変更、特許訴訟の管理を改善するためのローカルモデルルールの採用、弁護士報酬の授権に関する米国最高裁判決などが含まれる。

AIAは、1952年以来、米国特許制度に対する最も重要な法改正であり、濫用的な特許訴訟を潜在的に抑制するための特有の審判を設立した。AIAにより構成されたPTABは、AIA裁判手続における被告人の訴えられたクレームの特許性を審査する。PTABでPAEが主張する特許クレームの特許性に挑戦することにより、ステークホルダーは濫用的な特許訴訟の慣行を抑制するための肯定的な措置を講じることができる。USPTOは、従来の裁判所の費用がかさむ厄介な訴訟手続のより効果的かつ公正な代替手段となるPTAB規則と手続をどのように発展させるかについてステークホルダーと関わり続けており、PTABはすでに目に見える結果を生み出している。

さらに、連邦民事訴訟規則(2015年12月に発効)の改正により、特許事件の主張基準が挙げられた。その結果、原告は、単に被告が侵害主張を通知する以上のことをする必要がある。特許侵害を主張する当事者は、Bell Atlantic Corp. v. Twombly、550 U.S. 544(2007)およびAshcroft v. Iqbal、556 US 662(2009)で述べられた要件を遵守する必要があり、その要件は次の主張をする訴状を求める。「もっともらしい主張を述べるための真実であると受け入れられる十分な事実関係、」、「被告が主張された違法行為に対して責任を負うという合理的な推論を裁判所が行うことを許可する」(Iqbal、id. at 678)

新しい技術は特許制度に挑戦し続ける。新たな技術が特許ランドスケープにどのような影響を与えるかについての将来の分析とステークホルダーの協力は、USPTOの重要な優先事項である。 USPTOは、新興技術に関連する問題に対処するための多面的アプローチを実施しており、これには次のものを含む。(1)特許審査官技術訓練プログラム(PETTP)およびその他のイニシアチブを通じて、新技術に関する専門家の技術訓練を特許審査官に提供することにより、特許品質を向上させること、(2)新興技術イニシアチブに関する機関間リーダーシップと技術的専門知識を提供すること、(3)新技術の特許制度への影響に関するステークホルダーとの協議の促進。USPTOは、積層すなわち3Dプリンタ、「Internet of Things」やブロックチェーンなど、技術の知的財産への影響を綿密に監視している。

目標は、経験的データの収集とレビューを続けるとともに、米国特許システムに対する最近の変更の影響を慎重に監視して、特許権者の重要なニーズと本当に重大な訴訟を軽減するという目標とのバランスをとる政策オプションを評価することである。

原文はこちらの134ページ以降をご覧下さい。

https://www.whitehouse.gov/sites/default/files/omb/IPEC/2016jointstrategicplan.pdf