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令和元年の特許法等改正の施行日まとめ(2019年5月20日更新)

令和元年(平成31年、2019年)の「特許法等の一部を改正する法律」は、全会一致で可決され、令和元年5月17日に公布されました。

1.原則

令和元年の「特許法等の一部を改正する法律」の施行日は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日が原則です。したがって、例年通りに進めば、令和2年(2020年)の春に施行されるのが原則になります。「政令で定める日」は、この記事の投稿時点では決定されていません。「政令で定める日」が決まりましたら、この記事を更新してお知らせします。

この原則どおりに施行されるのは以下の改正規定です。

1-1. 特許法

  • 第102条(損害の額の推定等)の一部改正

1-2. 実用新案法

  • 第29条(損害の額の推定等)の一部改正
  • 第37条(実用新案登録無効審判)の一部改正

1-3. 意匠法

  • 第2条(定義等)の一部改正
  • 第3条第2項(創作非容易性)の一部改正
  • 第5条(意匠登録を受けることができない意匠)の一部改正
  • 第5条の2(仮通常実施権)の一部改正
  • 第6条(意匠登録出願)の一部改正
  • 第8条の2(内装の意匠)の新設
  • 第10条(関連意匠)の一部改正(かっこ書に「43条の2第1項」を追加する改正を除く)
  • 第17条(拒絶の査定)の一部改正
  • 第21条(存続期間)の一部改正
  • 第22条(関連意匠の意匠権の移転)の一部改正
  • 第26条の2(意匠権の移転の特例)の一部改正
  • 第27条(専用実施権)の一部改正
  • 第37条第2項(差止請求の付帯請求)の一部改正
  • 第38条(侵害とみなす行為)の一部改正
  • 第39条(損害の額の推定等)の一部改正
  • 第42条(登録料)の一部改正
  • 第44条の3(回復した意匠権の効力の制限)の一部改正
  • 第48条(意匠登録無効審判)の一部改正
  • 第55条(再審により回復した意匠権の効力の制限)の一部改正
  • 第60条の6(国際出願による意匠登録出願)の一部改正
  • 第60条の8(関連意匠の登録の特例)の一部改正
  • 第60条の15(関連意匠の意匠権の移転の特例)の一部改正
  • 第60条の16(関連意匠の意匠権についての専用実施権の設定の特例)の一部改正
  • 第60条の21(国際意匠登録出願の個別指定手数料)の一部改正
  • 第64条(意匠登録表示)の一部改正
  • 第65条(虚偽表示の禁止)の一部改正
  • 第66条(意匠公報)の一部改正

1-4. 商標法

  • 第31条(通常使用権)の一部改正
  • 第38条(損害の額の推定等)の一部改正
  • 第68条の28(手続の補正の特例)の一部改正

上記の通り、今回の改正のメインとなる意匠法の改正規定は、概ねこの原則の施行日が適用されます。 

 

2.例外

2-1. 公布の日から起算して10日

商標法第31条第1項ただし書を削除する改正規定は、例外的に、公布の日から起算して10日を経過した日に施行されます。公布された日は2019年5月17日ですので、2019年5月27日から施行になります。

商標法第31条第1項ただし書は、国・地方公共団体等が、商標法第4条第2項の規定により商標法第4条第1項第6号の例外として商標登録を受けた場合、他人に通常使用権を許諾できないとする規定です。

この規定が削除されますので、商標法第4条第2項の適用を受けて商標登録を受けた場合であっても、他人に通常使用権を許諾できることとなります。

 

2-2. 公布の日から起算して1年6月

改正法の公布の日から起算して1年6月を越えない範囲内において政令で定める日から施行されるのは、下に列挙する改正規定です。令和2年(2020年)の弁理士試験の前に施行されない可能性も十分にあるので、施行日を確認してから学習するようにしましょう。「政令で定める日」は、投稿時点では決定されていません。

2-2-1. 特許法
  • 第65条第6項(補償金請求権)の一部改正
  • 第105条第4項(書類の提出等)の一部改正
  • 第105条の2(損害計算のための鑑定)を105条の2の11とする改正 
  • 第105条の2から105条の2の10(査証制度)の新設
  • 第105条の4第1項第1号(秘密保持命令)の一部改正
  • 第168条第6項(審判における費用の負担)の一部改正
  • 第200条(秘密を漏らした罪)の見出しの改正
  • 第200条の2(秘密保持命令違反の罪)を特許法第200条の3とする改正
  • 第200条の2(査証人の秘密漏えいの罪)の新設
2-2-2. 実用新案法
  • 第30条(特許法の準用)の一部改正
2-2-3. 意匠法
  • 意匠法第41条(特許法の準用)の一部改正
  • 意匠法第60条の12第2項(国際公表の効果)の一部改正
  • 商標法第13条の2第5項(金銭的請求権)の一部改正
  • 商標法第39条(特許法の準用)の一部改正

上記の通り、特許法の改正のうち特許法第102条(損害の額の推定等)の改正以外は、この例外の施行日(公布の日から1年6月以内で政令で定める日)が適用されます。

 

2-3. 公布の日から起算して2年

改正法の公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行されるのは、主に下に列挙する規定についての改正規定です。令和2年(2020年)の弁理士試験の前に施行されない可能性が高いので、施行日を確認してから学習するようにしましょう。「政令で定める日」は、投稿時点では決定されていません。

2-2-1. 意匠法
  • 第7条(一意正一出願)の一部改正
  • 第10条第1項(関連意匠)のかっこ書に「第43条の2第1項」を加える改正
  • 第10条の2(意匠登録出願の分割)第2項、第3項の一部改正
  • 第15条第1項(特許法の準用)の一部改正
  • 第60条の10(パリ条約等による優先権主張の手続の特例)の一部改正
  • 第68条第1項(特許法の準用)の一部改正 
  • 別表(料金表)の一部改正

上記の通り、この例外の施行日(公布の日から2年以内で政令で定める日)となるのは、意匠法に関する改正規定のみです。

 

3.まとめ

令和2年度の弁理士試験を受験される方は、原則の施行日に施行される改正法と、例外の2019年5月27日に施行される改正法について学習する必要があります。

令和元年度の論文式試験・口述試験を学習する方は、2019年5月27日に施行される改正ほうについて学習する必要があります。

なお、平成30年(2018年)の改正法の一部も、令和2年(2020年)の弁理士試験から出題されます。平成30年の改正法の施行日については下記リンク先をご覧下さい。

 

ryuuji11itou16.hatenablog.com

 

ryuuji11itou16.hatenablog.com

 

[出典]

www.meti.go.jp

 

 

www.jpo.go.jp