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WIPO、出願統計を発表

2016年11月23日、WIPO世界知的所有権機関)より、2015年に世界で出願された特許、商標、意匠の統計が発表されました。

特許

特許出願数

2015年の特許出願件数は、世界全体で2014年から7.8%増加し、約290万件となりました。2014年は4.5%の増加だったので、成長率も高まっています。

特に中国の成長が顕著で、2015年は110万1,864件の特許出願があり、年間で100万件以上の出願を受理した最初の特許庁になりました。中国での特許出願の件数は、米国(58万9,410件)、日本(31万8,721件)、韓国(21万3,694件)の3つの特許庁の特許出願数の合計とほぼ同じになっています。

これらの特許庁に加え、欧州特許庁EPO、16万28件)を含め、上位5つの特許庁が世界の出願数の82.5%を占めているとのことです。上位5つの特許庁では、中国(+18.7%)が最も急速に伸びており、EPO(+4.8%)、米国(+1.8%)、韓国(+1.6%)が続いています。対照的に日本では2.2%の減少となっています。

外国出願数

外国への出願は米国の出願人が最も多く、23万7,961件(+6%)、続いて日本の19万5,446件(-2.3%)、ドイツの10万1,892件(-3.6%)となっています。

中国の発明者による海外出願は比較的少なく、4万2,154件となっていますが、この数字は過去20年間で着実に増加しており、現在ではフランス(4万6,581件)とほぼ等しくなっています。

技術分野別

コンピュータ技術は世界で公開された特許出願の中で最も高い7.9%を占め、次に電気機械(7.3%)とデジタル通信(4.9%)となっています。

2015年には世界で約124万件の特許が許可され、2014年に対し5.2%増加し、2012年から最も高い成長率となりました。これは中国における許可の増加が主な原因で、中国では2015年に35万9,316件の特許が許可されており、最多の特許を発行していた米国の29万8,407件を上回っています。

特許数

2015年には世界で約1,060万件の特許があり、このうちの約4分の1が米国(24.9%)、続いて日本(18.3%)、中国(13.9%)となっています。

商標

 2015年には世界で840万の区分をカバーする約600万件の商標登録出願がされました。主に中国の主導によって出願は15.3%増加し、2000年以来最大の伸びを示しています。世界の出願の約78%は出願人の自国での出願のようです。

区分数で283万件の中国が2015年に最も多く、続いて米国(51万7,297件)、欧州(EUIPO、36万6,383件)、日本(34万5,070件)、インド(28万9,843件)となっています。トップ20の特許庁では日本(+43%)、イタリア(+32.6%)、中国(+27.4%)、インド(+21.9%)、韓国(+13.9%)が2桁成長を記録しています。

2015年には620万区分をカバーする440万件の商標登録がされています。これは2014年に対して26.6%の増加であり、15年間で最高の伸びです。

意匠

2015年に出願された意匠登録出願は2.3%増加し、中国で出願件数が大幅に減少した2014年の急激な減少から回復しました。世界で110万の意匠を含む87万2,800件の出願がされています。出願件数の増加は、主に中国、韓国、米国での出願件数の増加によるものです。

中国の特許庁は56万9,059の意匠を含む出願を受理しており、世界全体の半数を占めています。ついで欧州(9万8,162)、韓国(7万2,458)、ドイツ(5万6,488)、トルコ(4万5,852)となっています。そのうち、韓国(+5.9%)と中国(+0.8%)は延びていますが、ドイツ(-7.5%)、トルコ(-6%)、欧州(-0.1%)では2014年よりも減少しています。

家具関連の意匠は全出願の9.4%を占めており、続いて衣料品(8.3%)およびパッケージと容器(7%)となっています。

主に中国での登録が急増したことにより、2015年には世界中で登録された意匠の総数は21.3%増加しました。

 

www.wipo.int