特許書類、明細書から書くか?請求項から書くか?
私の場合、特許書類を作成する順番は、①図面を他の人にトレースしてもらうか否か、②明細書作成に十分な時間があるか否かによって異なります。技術分野は機械系です。願書は事務担当の人に作ってもらいます。
1.他の人に図面をトレースしてもらい、十分な時間がある場合
この場合、発明を十分に理解して、特許請求の範囲を早い段階で作成してから明細書を作成します。用語の統一が図れるのと、明細書に書くべきことが予め分かるので、明細書の作成がスムーズになります。
具体的には、以下の順番で作成しています。
① 発明の理解
② 先行技術の調査
③ 明細書の従来技術、解決課題、発明の効果あたりの作成
④ 特許請求の範囲の作成
⑤ 参照符号以外の図面の下書きの作成
⑥ 明細書の図面の簡単な説明、実施形態の作成
→ 下書き図面に手書きで参照符号を入れながら明細書の主要な部分を作成します。
⑦ 図面を他の人にトレースしてもらう
⑧ 明細書、特許請求の範囲のチェック・修正
⑨ 明細書の解決手段、要約書の作成
⑩ トレース後の図面のチェック・修正依頼
⑪ 明細書、図面、特許請求の範囲、要約書の最終チェック・修正
2.他の人に図面をトレースしてもらい、十分な時間がない場合
この場合、図面の依頼を優先しなければならないのと、発明の理解のための時間が取れないので、明細書を書きながら発明を理解した後、特許請求の範囲を作成する流れとなります。
具体的には、以下の順番で作成します。
① 発明の簡単な理解
② 先行技術の調査
③ 図面の下書きの作成
→ 明細書に記載する順番をイメージしながら図番・参照符号を振ります。
④ 図面のトレースを依頼
→ この段階で依頼しておかないと書類の完成に間に合いません。
⑤ 明細書の作成
→ 図面の下書きを見ながら明細書を作成します。明細書を作成しながら発明を理解します。
⑥ 特許請求の範囲の作成
⑦ 明細書と特許請求の範囲の間の調整
→ ここで余計な手間がかかります。
⑧ トレース後の図面のチェック・修正依頼
→ ここに書きましたが、トレースが完了次第行います。
⑨ 明細書、特許請求の範囲のチェック・修正
⑩ 明細書の解決手段、要約書の作成
⑪ 明細書、特許請求の範囲、図面、要約書の最終チェック・修正
3.自分で図面を完成させ、十分な時間がある場合
この場合、発明を十分に理解してから書き始めることができるので、やはり特許請求の範囲を早い段階で作成します。特許請求の範囲の作成前に自分で図面(参照符号以外)を作成することで、より発明の理解を深めることができます。
具体的には以下の順に作成します。
① 発明の理解
② 先行技術の調査
③ 明細書の従来技術、解決課題、発明の効果あたりの作成
④ 参照符号以外の図面の作成
→ ここで発明をより深く理解します。
⑤ 特許請求の範囲の作成
⑥ 明細書の図面の簡単な説明、実施形態の作成
→ 印刷した図面に手書きで参照符号を入れながら明細書の実施形態を作成します。
⑦ 図面に参照符号を入れる
⑧ 明細書、特許請求の範囲、図面のチェック・修正
⑨ 明細書の解決手段、要約書の作成
⑩ 明細書、図面、特許請求の範囲、要約書の最終チェック・修正
4.自分で図面を完成させ、十分な時間がない場合
この場合、全て自分で行わなければならず、作業の手間が多くなり、かつ、時間も無いという状況ですので、最も効率的なスケジュールで作業を進めます。
具体的には以下の順に作成します。
① 発明の簡単な理解
② 参照符号以外の図面の作成
→ 図面を作成しながら発明を理解します。
③ 明細書の作成
→ 印刷した図面に参照符号を手書きで書き込みながら明細書を作成します。明細書を作成しながら発明を理解します。
④ 特許請求の範囲の作成
⑤ 明細書と特許請求の範囲の間の調整
⑥ 図面に参照符号を入れる
⑦ 明細書、特許請求の範囲、図面のチェック・修正
⑧ 明細書の解決手段、要約書の作成
⑨ 明細書、特許請求の範囲、図面、要約書の最終チェック・修正