令和元年度の弁理士短答試験の合格者統計(2019年6月21日更新)
2019年6月10日に令和元年度の弁理士短答式試験の合格発表がありました。また、2019年6月21日に短答式試験の受験者統計と合格者統計が公表されました。
合格者数
合格者数は531名でした。
昨年の合格者数は620名でしたので、前年比約85.6%(約14.4%減)となっています。
合格基準点は例年通り39点でした。
受験者数
受験者数は2,895名でした。
昨年の受験者数は3,034名でしたので、前年比約95.4%(約4.6%減)となっています。
合格率
合格率は約18.3%でした。
昨年の合格率は約20.1%でしたので、前年比約1.8ポイントの低下となっています。
受験回数別合格率
受験回数別の合格率は以下の通りです。志願者に対する合格者の割合ではなく、受験者に対する合格者の割合です(以下同じ)。
- 初回 : 9.3%
- 1回~5回: 20.5%
- 6回~10回: 22.5%
- 11回~15回: 27.3%
- 16回~20回:10.6%
- 21回以上 : 13.8%
初回受験者の合格率が低いことが分かります。2回目以降の受験で大幅に合格率が高くなっています。
過去に11回~15回受験している人の合格率が最も高くなっていますが、これだけ受験しなければ合格できないということでなく、過去に短答式試験に合格したけれども、論文式試験又は口述試験で不合格だった人が再チャレンジして合格しているものと思われます。
性別別合格率
性別別の合格率は以下の通りです。
- 男: 18.4%
- 女: 18.0%
弁理士試験の受験指導においても、男女の差は感じません。
年齢別合格率
年齢別の合格率は以下の通りです。
- 10代 : 0%
- 20代 : 16.9%
- 30代 : 22.6%
- 40代 : 16.7%
- 50代 : 15.7%
- 60代 : 18.6%
- 70代 : 13.0%
- 80代~: 0%
30代をピークとして、年齢が高くなるにつれて合格率が低下する傾向がありますが、この傾向に反して60代の受験者の合格率が高くなっています。定年退職後のセカンドキャリアとして弁理士を目指す方は学力の高い印象があります。試験勉強の時間を取りやすいこともあり、合格率が高くなっているのかもしれません。
職業別合格率
職業別の合格率は以下の通りです。合格率の高い順に並べています。
- 公務員 : 28.1%
- 自営業 : 24.6%
- 特許事務所: 21.5%
- 会社員 : 17.4%
- 無職 : 16.4%
- その他 : 16.4%
- 教員 : 15.8%
- 法律事務所: 13.9%
- 学生 : 8.4%
公務員には特許庁の職員が含まれているのかもしれません。
次に合格率が高い自営業は、特許事務所や企業から業務委託として、翻訳などの知財関係の仕事を受注している人が多いのかもしれません。時間の融通が利くということもあると思います。
受験地別合格率
受験地別の合格率は以下の通りです。
- 東京 : 18.2%
- 大阪 : 18.7%
- 仙台 : 18.6%
- 名古屋: 19.0%
- 福岡 : 17.4%
目立った差はありませんが、特許庁の所在地である東京の合格率が、予想に反して高くありませんでした。
理系・文系別合格率
理系・文系別の合格率は以下の通りです。
- 理系 : 18.7%
- 文系 : 17.6%
- その他: 17.0%
短答式試験は法律の試験なので、文系の方が有利と思われますが、理系の方が合格率が高いという結果になっています。理系の人の方が比較的ストイックに学習に取り組む印象があります。
出身校別合格率
合格数上位10校の合格率は以下の通りです。合格者の多い順に並べています。
- 東京大学 : 23.3%
- 京都大学 : 25.4%
- 東北大学 : 27.4%
- 大阪大学 : 22.6%
- 東京工業大学: 20.5%
- 慶應義塾大学: 26.8%
- 名古屋大学 : 28.8%
- 早稲田大学 : 17.2%
- 中央大学 : 20.5%
- 立命館大学 : 37.8%
総じて合格率が高いのですが、中でも立命館大学の37.8%が突出しています。立命館大学出身者の受験者数は37名、合格者数は14名となっています。理由は良く分かりません。
令和元年度弁理士試験短答式筆記試験合格発表 | 経済産業省 特許庁