2018年12月30日に施行された特許法、商標法の改正について
2018年12月30日に施行されたTPP11協定に基づく特許法、商標法の改正について、所属事務所のWEBサイトに解説ページを作りました。下記リンク先をご覧下さい。
所属事務所のWEBサイトを自作しました。
5年ほど前(?)に自作した以前のWEBサイトは無料のレンタルサーバーを利用していたのですが、サービスが終了してしまったので、新たに有料のレンタルサーバーを借りて再度自作しました。
今回はWordPressのSydneyというテーマとElementorという編集ソフトのおかげで、前のサイトよりも綺麗に仕上がりました。
慣れない作業のため完成まで10時間ほどかかりましたが、前のサイトを作成したときよりも、だいぶ短かいと思います。
SEO的にどうとか、コンバージョン率がどうとか、詳しいことは分かりませんが、業者の見積りでは100万円から200万円だったので、自作してだいぶ節約できました。
前にWEBサイトを自作しようとして諦めた人でも、今なら自作できるかもしれません。ぜひチャレンジしてみて下さい。
【弁理士短答試験】お手上げ問題で枝1と枝5は選ばないほうが良い理由
弁理士試験の短答式試験で全くお手上げな問題が出てしまった場合に、どの枝を選ぶかを予め決めておくと無駄な時間(鉛筆を転がす時間)を使わずに済みます。
過去10年分の正解枝を調べたところ、最も多く正解になっているのは枝3という結果になりました。この傾向は平成28年まで顕著でしたが、平成29年、平成30年では枝2と枝4が最も多く正解になっています。
過去10年で2番目に多いのは枝2です。
総合的に考えると枝2と枝3が有力です。試験中に枝2か枝3かを決めるのに鉛筆を転がすのでは意味がないので、試験前までにはどちらにするか決めておきましょう。
少なくとも枝1と枝5は選ばない方が良さそうです。
過去10年間の各枝の正解数は以下の通りです。
【欧州特許庁(EPO)】独立クレームと従属クレームの間の単一性
欧州特許庁(EPO)での特許出願の審査について、「独立クレームとそれに従属するクレームの間では単一性は判断されない」と言われることがあります。
この表現においては、複数の従属クレームが存在する場合、「①独立クレームとそれに従属する任意の1つの従属クレームの間では単一性が判断されない(つまり、従属クレームの間では単一性が判断される)」のか、それとも、「②独立クレームとそれに従属する一連のクレームの間で単一性が一切判断されない(つまり、独立クレームと従属クレームの間でも、従属クレームの間でも単一性が判断されない)」のか明確ではないので、調べてみました。
EPOの審査ガイドライン
欧州特許庁の審査ガイドラインのPart F Chapter Vには以下のようにあります。
Part F – The European Patent Application
Chapter V – Unity of inventionNo objection on account of lack of unity is justified in respect of a dependent claim and the claim on which it depends (see F-V, 2.1).
If, however, the independent claim appears not to be patentable, then the question whether there is still an inventive link between all the claims dependent on that claim needs to be carefully considered (see F‑V, 4.2).
これによると、独立クレームとそれに従属する任意の1つのクレームとの間では単一性欠如の拒絶とする必要はないものの、独立クレームに特許性(新規性、進歩性)が無い場合は、その独立クレームに従属するクレームの間で単一性の判断が行われます。
例えば、
独立クレーム1に従属するクレーム2および3がある場合、独立クレーム1に特許性がなければ、従属クレーム2と3の間では単一性の判断が行われます。この場合、独立クレーム1には特許性がないので、独立クレーム1を残すことを前提として、独立クレーム1と従属クレーム2、独立クレーム1と従属クレーム3の間の単一性を判断する意義はありません。しかし、従属クレーム2、3には特許性があるかもしれないので、従属クレーム2と3の間で単一性の判断を行う意義はあります。
一方、独立クレーム1に特許性がある場合、独立クレーム1とそれに従属するクレーム2及び3は、いずれも独立クレーム1に記載の特別な技術的特徴(新規性・進歩性のある特徴)を有することから、クレーム1から3は単一性があるということになり、単一性を判断する必要はありません。
結論
冒頭の「独立クレームとそれに従属するクレームの間では単一性は判断されない」というのは、独立クレームに特許性がない場合は「①独立クレームとそれに従属する任意の1つの従属クレームの間では単一性が判断されない(つまり、従属クレームの間では単一性が判断される)」という意味で、独立クレームに特許性がある場合は「②独立クレームとそれに従属する一連のクレームの間で単一性が一切判断されない(つまり、独立クレームと従属クレームの間でも、従属クレームの間でも単一性が判断されない)」という意味なのかなと思いました。
いずれにしても独立クレームとそれに従属する任意の1つの従属クレームの間で単一性が判断されることはなさそうです。
パリ条約の同盟国の数
工業所有権の保護に関するパリ条約の同盟国の数は、WIPOのウェブサイトによると、178カ国とのことです(2022年4月5日時点)。世界の国の数を196カ国とすると、約90%の国が加盟していることになります。
同盟国は以下の通りです。
1 アフガニスタン
2 アルバニア
3 アルジェリア
4 アンドラ
5 アンゴラ
6 アンティグアバーブーダ
7 アルゼンチン
8 アルメニア
9 オーストラリア
10 オーストリア
11 アゼルバイジャン
12 バハマ
13 バーレーン
14 バングラデシュ
15 バルバドス
16 ベラルーシ
17 ベルギー
18 ベリーズ
19 ベナン
20 ブータン
21 ボリビア
22 ボスニア・ヘルツェゴビナ
23 ボツワナ
24 ブラジル
25 ブルネイ・ダルサラーム
26 ブルガリア
27 ブルキナファソ
28 ブルンジ
29 カンボジア
30 カメルーン
31 カナダ
32 中央アフリカ共和国
33 チャド
34 チリ
35 中国
36 コロンビア
37 コモロ
38 コンゴ
39 コスタリカ
40 クロアチア
41 キューバ
42 キプロス
43 チェコ共和国
44 コートジボワール
45 朝鮮民主主義人民共和国
46 コンゴ民主共和国
47 デンマーク
48 ジブチ
49 ドミニカ
50 ドミニカ共和国
51 エクアドル
52 エジプト
53 エルサルバドル
54 赤道ギニア
55 エストニア
56 エワティニ
57 フィンランド
58 フランス
59 ガボン
60 ガンビア
61 ジョージア
62 ドイツ
63 ガーナ
64 ギリシャ
65 グレナダ
66 グアテマラ
67 ギニア
68 ギニアビサウ
69 ガイアナ
70 ハイチ
71 バチカン
72 ホンジュラス
73 ハンガリー
74 アイスランド
75 インド
76 インドネシア
77 イラン
78 イラク
79 アイルランド
80 イスラエル
81 イタリア
82 ジャマイカ
83 日本
84 ヨルダン
85 カザフスタン
86 ケニア
87 クウェート
88 キルギス
89 ラオ人民民主共和国
90 ラトビア
91 レバノン
92 レソト
93 リベリア
94 リビア
95 リヒテンシュタイン
96 リトアニア
97 ルクセンブルク
98 マダガスカル
99 マラウイ
100 マレーシア
101 マリ
102 マルタ
103 モーリタニア
104 モーリシャス
105 メキシコ
106 モナコ
107 モンゴル
108 モンテネグロ
109 モロッコ
110 モザンビーク
111 ナミビア
112 ネパール
113 オランダ
114 ニュージーランド
115 ニカラグア
116 ニジェール
117 ナイジェリア
118 ノルウェー
119 オマーン
120 パキスタン
121 パナマ
122 パプアニューギニア
123 パラグアイ
124 ペルー
125 フィリピン
126 ポーランド
127 ポルトガル
128 カタール
129 韓国
130 モルドバ共和国
131 ルーマニア
132 ロシア連邦
133 ルワンダ
134 セントクリストファー・ネイビス
135 セントルシア
136 セントビンセント・グレナディーン
137 サモア
138 サンマリノ
139 サントメプリンシペ
140 サウジアラビア
141 セネガル
142 セルビア
143 セイシェル
144 シエラレオネ
145 シンガポール
146 スロバキア
147 スロベニア
148 南アフリカ
149 スペイン
150 スリランカ
151 スーダン
152 スリナム
153 スウェーデン
154 スイス
155 シリアアラブ共和国
156 タジキスタン
157 タイ
158 トーゴ
159 トンガ
160 トリニダード・トバゴ
161 チュニジア
162 トルコ
163 トルクメニスタン
164 ウガンダ
165 ウクライナ
166 アラブ首長国連邦
167 英国
168 タンザニア連合共和国
169 アメリカ合衆国
170 ウルグアイ
171 ウズベキスタン
172 ベネズエラ
173 ベトナム
174 イエメン
175 ザンビア
176 ジンバブエ
177 マケドニア共和国
178 キリバス
今年の弁理士試験の最終合格者は260名
本日(平成30年11月8日)、平成30年度の弁理士試験の合格発表があり、合格者数は260名でした。昨年までの合格者数は以下の通りです。
平成29年度 255名
平成28年度 296名
平成27年度 319名
平成26年度 385名
このところ減少傾向でしたが、今年は微増でした。
合格された皆様、おめでとうございます!
平成30年度弁理士論文式試験の合格率は23.9%
本日(2018年9月25日)、弁理士試験の論文式試験の合格発表がありました。
合格者数は261名でした。合格率は23.9%です。
昨年度(平成29年度)の合格者数は229名、合格率は24.2%でした。
今年の短答式試験の合格者数は、昨年度の287名から今年度は620名に増えていたので、論文がどうなるか不安に感じていた受験生の方も多いと思いますが、結果としては論文の合格者数も増えて合格率は微減となりました。
合格された方々、おめでとうございます!
平成30年度改正著作権法の施行日(2019年4月21日更新)
1. TPP関連以外
1-1.原則
「著作権法の一部を改正する法律」の施行日は原則として平成31年1月1日です。
「学校教育法等の一部を改正する法律」による著作権法第33条の改正の施行日は平成31年4月1日です。
平成31年度(令和元年度)の弁理士試験を受験される方は、これらの改正法を学習する必要があります。
「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」による著作権法の一部改正は、令和元年年7月1日から施行されます。この改正については令和2年度の弁理士試験対策として学習すれば良いでしょう。
これ以外の施行日の規定を以下に解説します。
2-2. 例外
2-2-1. 既に施行されている規定
13条5項(侵害とみなす行為)の改正については、著作権法の一部を改正する法律が公布された日(平成30年5月25日)から施行されています。平成31年度の弁理士試験を目指す方は学習が必要です。
2-2-2. 公布の日から3年以内に施行される規定
著作権法35条(学校その他の教育機関における複製等)の改正法、35条の改正に伴う48条1項3号、86条3項の改正法、及び、第5章(私的録音録画補償金)の改正法は、「公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日」から施行されます。「政令で定める日」は、この記事の投稿日の時点ではまだ決まっていません。
これらの規定については、平成31年度の弁理士試験までに施行される可能性は低いと思います。
2.TPPの締結に伴う改正
「環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律」において予定されていた著作権法の改正については、TPP11協定が日本国について効力を生じた日から施行されています。
TPP11協定は,同協定の署名国(11カ国)のうち6カ国が国内法上の手続を完了したことを寄託者(ニュージーランド)に通報してから60日後に効力を生ずることとしていました(TPP11協定第3条)。
6カ国目の通報があったのは2018年10月31日であり、TPPの締結に伴う改正は平成30年12月30日から施行されています。
TPPの締結に伴う改正法も平成31年度の短答式試験から出題されます。
3. まとめ
平成31年度(令和元年)の弁理士試験対策としては、以下のものを除いて、学習しておくのが良いと思います。
① 第35条とそれに関連する改正
② 第5章の改正
③ 「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」による改正
①第35条とそれに関連する改正と、②第5章の改正については、施行日を確認してから学習するようにしましょう。
なお、特許法等の改正については下記リンク先の記事をご覧下さい。
(平成30年6月29日)「環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律の一部を改正する法律」の成立について:公正取引委員会
平成30年度改正の特許法等の施行日を整理します(2019年6月19日更新)
1. TPP関連以外
TPP関連以外の改正法として「不正競争防止法等の一部を改正する法律」があります。この改正法の施行日は原則として令和元年(平成31年、2019年)7月1日です。
この改正法には産業財産権法(特許法、実用新案法、意匠法、商標法)の法改正も含まれているので、基本的にはこれらの改正法も令和元年7月1日から施行されることになります。
令和元年の論文式試験は6月30日に実施され、「弁理士試験が実施される日に施行されている特許法等に関して出題する。」としていますので、この法改正は口述試験から影響することとなります。
しかし、既に新規性喪失の例外の改正法が施行されているように、例外的に令和元年7月1日以外の日から施行される規定があります。この例外の中で弁理士試験に影響がありそうなところを以下に挙げます。
1-1. 平成30年6月9日から施行されているもの
1-1-1. 新規性喪失の例外期間(特許、実用新案、意匠)
新規性喪失の適用期間を公表から「1年」とした改正法の施行日は「公布の日から起算して10日を経過した日」とされており、公布の日は平成30年5月30日でしたので、平成30年6月9日に施行されています。
したがって、令和元年の弁理士試験では短答式試験から出題されるものとして学習しておく必要があります。
1-1-2. 商標登録出願の分割の要件追加
商標登録出願の分割の要件として出願手数料を支払っていることを追加した改正法は、新規性喪失の例外と同様に平成30年6月9日に施行されています。
したがって、令和元年の弁理士試験では短答式試験から出題されるものとして学習しておく必要があります。
1-2. 平成30年11月29日から施行されているもの
1-2-1. 不正競争防止法第2条第1項第11号、12号の改正
不正競争防止法第2条第1項第11号、12号(技術的制限手段の効果を妨げる装置等の譲渡等)の改正の施行日は、「公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日」とされており、この施行期日を平成30年11月29日とする政令が閣議決定されています。したがって、この改正法は平成31年度の弁理士試験の出題範囲となります。
令和元年7月1日の施行日を迎えると、他の規定の改正の影響により、不正競争防止法第2条第1項第11号は「17号」に、12号は「18号」にスライドしますが、それまでは11号、12号のままとなります。
1-2-2. 不正競争防止法第2条第7項の改正
不正競争防止法第2条第7項(技術的制限手段の定義)の改正の施行日は、2条1項11号、12号と同様に、平成30年11月29日です。したがって、令和元年の弁理士試験の出題範囲となります。
ただし、「(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によって認識することができない方法をいう。)」を削る改正と、不正競争防止法第2条第7項を8項にスライドさせる改正については、令和元年7月1日に施行となります。したがって、平成31年度の弁理士試験の短答式試験が例年通りの日程で行われれば、試験当日に施行されている法律の条文は以下の通りになります。
この法律において「技術的制限手段」とは、電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によって認識することができない方法をいう。)により影像若しくは音の視聴、プログラムの実行若しくは情報の処理又は影像、音、プログラムその他の情報の記録を制限する手段であって、視聴等機器(影像若しくは音の視聴、プログラムの実行若しくは情報の処理又は影像、音、プログラムその他の情報の記録のために用いられる機器をいう。以下この項において同じ。)が特定の反応をする信号を記録媒体に記録し、若しくは送信する方式又は視聴等機器が特定の変換を必要とするよう影像、音、プログラムその他の情報を変換して記録媒体に記録し、若しくは送信する方式によるものをいう。
1-2-3. 不正競争防止法第19条第1項第8号の改正
不正競争防止法第19条第1項第8号(2条1項11号、12号に関する適用除外)の改正の施行日は、2条1項11号、12号と同様に、平成30年11月29日です。したがって、令和元年の弁理士試験の出題範囲となります。
ただし、同規定中、2条1項11号、12号を示す部分を改正後の2条1項17号、18号とする改正、及び、19条1項8号を19条1項9号にスライドする改正については、令和元年7月1日に施行となります。したがって、令和元年の弁理士試験の短答式試験が例年通りの日程で行われれば、試験当日の条文は以下の通りになります。
八 第二条第一項第十一号及び第十二号に掲げる不正競争 技術的制限手段の試験又は研究のために用いられる同項第十一号及び第十二号に規定する装置、これらの号に規定するプログラム若しくは指令符号を記録した記録媒体若しくは記憶した機器を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、若しくは輸入し、若しくは当該プログラム若しくは指令符号を電気通信回線を通じて提供する行為又は技術的制限手段の試験又は研究のために行われるこれらの号に規定する役務を提供する行為
1-3. 平成31年4月1日から施行されるもの
特許法107条3項(特許料)、109条の2(特許料の減免又は猶予)、112条1項及び6項(特許料の追納)、195条6項(手数料)、195条の2の2(出願審査の請求の手数料の減免)の規定は、平成31年4月1日から施行されます。新規性喪失の例外を除いて、今回の特許法の改正のメインとなる手数料に関する規定がここに含まれています。弁理士試験においては平成31年度の短答式試験から出題ということになります。
1-4. 令和2年1月1日から施行されるもの
意匠法15条1項(特許法の準用)、60条の10(パリ条約等による優先権主張の手続の特例)については、令和2年1月1日に施行されます。令和2年の短答式試験から影響することになります。
2.TPPの締結に伴う改正
「環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律」において予定されていた特許法、商標法の改正については、一部を除いて、TPP11協定が日本国について効力を生ずる日から施行されています。
TPP11協定は,同協定の署名国(11カ国)のうち6カ国が国内法上の手続を完了したことを寄託者(ニュージーランド)に通報してから60日後に効力を生ずることとしていました(TPP11協定第3条)。
6カ国目の通報があったのは平成30年10月31日であり、TPPの締結に伴う改正は平成30年12月30日から施行されています。弁理士試験においては令和元年の短答式試験から出題されます。
3.マドリッド協定議定書の共通規則の改正
マドリッド協定議定書の共通規則の第27規則の2、第27規則の3、第40規則(6)等の改正が2019年2月1日に発効されています。
4. 弁理士試験用まとめ
4-1. 特許法・実用新案法
今回の改正のメインとなる新規性喪失の例外(特許法第30条)と手数料に関する規定(特許法第109条の2、195条の2の2等)、TPP関連の改正(特許法第67条~67条の8、125条の2等)は令和元年の短答式試験から出題されるものとして学習する必要があります。
その他の改正、つまり、書類の提出等(特許法第105条)と証明等の請求(特許法第186条)については令和元年の口述試験から出題されるものとして学習するのが良いと思います。
4-2. 意匠法
新規性喪失の例外(意匠法第4条)については短答式試験から出題されるものとして学習する必要があります。
意匠法15条1項(特許法の準用)、60条の10(パリ条約等による優先権主張の手続の特例)の改正については、令和2年の短答式試験から出題あれます。
それ以外の改正、つまり、63条(証明等の請求)は口述の試験対策として学習するのが良いと思います。
4-3. 商標法
商標登録出願の分割に関する改正(商標法第10条)、TPP関連の改正(商標法第38条等)は令和元年の短答式試験から出題されるものとして学習する必要があります。
それ以外の改正、つまり、証明等の請求(商標法第72条)は口述の試験対策として学習するのが良いと思います。
4-4. 不正競争防止法
技術的制限手段に関する改正(不正競争防止法2条1項11号、12号、同条7項、19条1項18号)は、短答式試験で出題されるものとして学習する必要があります。
それ以外の改正は令和元年の弁理士試験(短答式試験)では出題されない可能性が高いです。
なお、著作権法については、下記リンク先の記事をご覧下さい。
4-5.マドリッド協定議定書
マドリッド協定議定書の共通規則の改正は令和元年の弁理士試験から出題されるものとして学習する必要があります。
平成30年度改正と令和元年度改正をまとめた今後施行される改正法については、下のリンク先をご覧下さい。
国内優先権主張出願の留意点
国内優先権主張の基礎出願において新規性喪失の例外の手続をしている場合、国内優先権主張出願においても手続が必要なので注意しましょう。
提出擬制がある分割出願と同じような感覚で国内優先権主張出願をすると、例外適用を受けられず、基礎出願で新規性喪失を自白しているようなものなので、えらい事になります。ご安全に!
移転登録申請書に誤記があった場合の登録申請取下書の記載
商標権などの移転登録申請書に誤記があった場合、移転登録申請書を補正することはできず、登録申請取下書を提出して申請を取り下げ、再提出する必要があります。
誤記が、申請人の表示(住所等)にあった場合、取下申請書に記載する申請人の表示は正しいものを書くべきか、移転登録申請書に記載した誤った表示をそのまま書くべきか、という疑問がありました。
というのも、移転登録申請書と同じものを書かなければ、特許庁において移転登録申請書と登録申請取下書の対応が確認できないように思える一方、取下申請書において誤った表示(=現実には存在しない法人の表示)をするのも気が引けるからです。
特許庁に問い合わせたところ、「移転登録申請書に記載した誤った表示をそのまま記載してください。」とのことでした。
弁理士試験の貸与法文集に掲載される法令(令和元年度)
2019年6月24日に令和元年度の弁理士試験貸与法文集に掲載される法令が公表されました。昨年からの追加・削除は無く、昨年と同じ法令が掲載されます。法令の一部改正はありますので、ご注意ください。
特許に関する法令
特許法
特許法施行令
特許法施行規則
特許登録令
特許登録令施行規則
実用新案に関する法令
実用新案法
実用新案法施行令
実用新案法施行規則
実用新案登録令
実用新案登録令施行規則
意匠に関する法令
意匠法
意匠法施行令
意匠法施行規則
意匠登録令
意匠登録令施行規則
商標に関する法令
商標法
商標法施行令
商標法施行規則
商標登録令
商標登録令施行規則
特例に関する法令
工業所有権に関する手続等の特例に関する法律
工業所有権に関する手続等の特例に関する法律施行令
工業所有権に関する手続等の特例に関する法律施行規則
特許協力条約に関する法令
特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律
特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律施行令
特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律施行規則
工業所有権保護等に関する条約
パリ条約
特許協力条約
特許協力条約に基づく規則
特許法条約
特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約
特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約に基づく規則
虚偽の又は誤認を生じさせる原産地表示の防止に関するマドリッド協定(リスボン改正)
虚偽の又は誤認を生じさせる原産地表示の防止に関するマドリッド協定のストックホルム追加協定
世界知的所有権機関を設立する条約
国際特許分類に関するストラスブール協定
標章の登録のため商品及びサービスの国際分類に関するニース協定
知的所有権の貿易関連の側面に関する協定
商標法条約
商標法条約に基づく規則
商標法に関するシンガポール条約
標章の国際登録に関するマドリッド協定の1989年6月27日にマドリッドで採択された議定書
意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定
民法編
民法第一編(総則)、第二編(物権)、第三編(債権)、第四編(親族)、第五編(相続)
仮登記担保契約に関する法律
製造物責任法
民事訴訟法編
民事訴訟法
民事訴訟規則
民事執行法
民事保全法
破産法
不正競争防止法編
不正競争防止法
不正競争防止法第二十三条第一項に規定する事件に係る刑事訴訟手続の特例に関する規則
審判傍聴のススメ
弁理士受験生の方と、初めて審判事件を担当する弁理士の方には、審判の口頭審理を傍聴することを勧めています。
口頭審理を傍聴することで、弁理士受験生の方であれば、法律に規定されている手続がどのように行われるのかイメージしやすくなりますし、初めて審判事件を担当する弁理士の方であれば、口頭審理の当日の流れや、何を準備していけば良いのかが分かります。
当然ながら、口頭審理の前に書類による主張のやりとりがあり、それを前提として口頭審理が行われますので、具体的な話の内容は理解できないところが多いと思います。
しかし、口頭審理は儀礼的なものではなく、理論武装したプロの代理人同士が面と向かって主張し合う姿には尋常でない気迫が感じられ、日常にはない雰囲気を味わうことができますし、弁理士受験生の方であれば学習意欲の向上にもつながると思います。
傍聴は無料です。審判のスケジュールについては下記リンク先をご覧下さい。
欧州のクレーム数に応じた追加手数料一覧
欧州特許のクレーム数に応じた追加手数料は以下の通りです。
クレーム数が50までの場合
クレーム16から50までの各クレームにかかる追加手数料は235ユーロ、この記事の投稿時点の為替レート(1ユーロ126.79円)だと、日本円で約29,800円です。
例えば、クレーム20まである特許出願の場合、
235ユーロ×(20-15)=1175ユーロ
投稿時点の為替レートだと、日本円で約149,000円が追加手数料となります。
クレーム数が50を越える場合
クレーム51以上の各クレームに係る追加手数料は585ユーロ、投稿時点の為替レートだと、日本円で約74,200円です。クレーム16から50までの各クレームについては上記の場合と同様に235ユーロの追加手数料がかかります。
例えば、クレーム60まである特許出願の場合、
235ユーロ×(50-15)+585ユーロ×(60-50)=14,075ユーロ
投稿時点の為替レートだと、日本円で約1,784,600円が追加手数料となります。
クレーム数に応じた追加手数料一覧
クレーム数が16から100までの追加手数料を以下に掲載します。投稿時点の為替レートで計算しています。
クレーム数 ユーロ 円
16 €235 ¥29,796
17 €470 ¥59,591
18 €705 ¥89,387
19 €940 ¥119,183
20 €1,175 ¥148,978
21 €1,410 ¥178,774
22 €1,645 ¥208,570
23 €1,880 ¥238,365
24 €2,115 ¥268,161
25 €2,350 ¥297,957
26 €2,585 ¥327,752
27 €2,820 ¥357,548
28 €3,055 ¥387,343
29 €3,290 ¥417,139
30 €3,525 ¥446,935
31 €3,760 ¥476,730
32 €3,995 ¥506,526
33 €4,230 ¥536,322
34 €4,465 ¥566,117
35 €4,700 ¥595,913
36 €4,935 ¥625,709
37 €5,170 ¥655,504
38 €5,405 ¥685,300
39 €5,640 ¥715,096
40 €5,875 ¥744,891
41 €6,110 ¥774,687
42 €6,345 ¥804,483
43 €6,580 ¥834,278
44 €6,815 ¥864,074
45 €7,050 ¥893,870
46 €7,285 ¥923,665
47 €7,520 ¥953,461
48 €7,755 ¥983,256
49 €7,990 ¥1,013,052
50 €8,225 ¥1,042,848
51 €8,810 ¥1,117,020
52 €9,395 ¥1,191,192
53 €9,980 ¥1,265,364
54 €10,565 ¥1,339,536
55 €11,150 ¥1,413,709
56 €11,735 ¥1,487,881
57 €12,320 ¥1,562,053
58 €12,905 ¥1,636,225
59 €13,490 ¥1,710,397
60 €14,075 ¥1,784,569
61 €14,660 ¥1,858,741
62 €15,245 ¥1,932,914
63 €15,830 ¥2,007,086
64 €16,415 ¥2,081,258
65 €17,000 ¥2,155,430
66 €17,585 ¥2,229,602
67 €18,170 ¥2,303,774
68 €18,755 ¥2,377,946
69 €19,340 ¥2,452,119
70 €19,925 ¥2,526,291
71 €20,510 ¥2,600,463
72 €21,095 ¥2,674,635
73 €21,680 ¥2,748,807
74 €22,265 ¥2,822,979
75 €22,850 ¥2,897,152
76 €23,435 ¥2,971,324
77 €24,020 ¥3,045,496
78 €24,605 ¥3,119,668
79 €25,190 ¥3,193,840
80 €25,775 ¥3,268,012
81 €26,360 ¥3,342,184
82 €26,945 ¥3,416,357
83 €27,530 ¥3,490,529
84 €28,115 ¥3,564,701
85 €28,700 ¥3,638,873
86 €29,285 ¥3,713,045
87 €29,870 ¥3,787,217
88 €30,455 ¥3,861,389
89 €31,040 ¥3,935,562
90 €31,625 ¥4,009,734
91 €32,210 ¥4,083,906
92 €32,795 ¥4,158,078
93 €33,380 ¥4,232,250
94 €33,965 ¥4,306,422
95 €34,550 ¥4,380,595
96 €35,135 ¥4,454,767
97 €35,720 ¥4,528,939
98 €36,305 ¥4,603,111
99 €36,890 ¥4,677,283
100 €37,475 ¥4,751,455
米国特許商標庁(USPTO)の特許出願手数料一覧
米国特許商標庁(USPTO)への特許出願の手数料一覧です。手数料は、出願人が小規模事業者(スモールエンティティ)と零細事業者(マイクロエンティティ)の場合、安くなります。
基本出願手数料 - 特許(紙で提出の場合、非電子出願手数料も必要)
通常 小規模事業者 零細事業者
300.00ドル 150.00ドル 75.00ドル
基本出願手数料 - 特許(スモールエンティティ向け電子出願)
通常 小規模事業者 零細事業者
非該当 75.00ドル 非該当
基本的出願手数料 - 意匠
通常 小規模事業者 零細事業者
200.00ドル 100.00ドル 50.00ドル
基本出願手数料 - 意匠CPA
通常 小規模事業者 零細事業者
200.00ドル 100.00ドル 50.00ドル
基本出願手数料 - 植物
通常 小規模事業者 零細事業者
200.00ドル 100.00ドル 50.00ドル
仮出願手数料
通常 小規模事業者 零細事業者
280.00ドル 140.00ドル 70.00ドル
基本出願手数料 - 再発行
通常 小規模事業者 零細事業者
300.00ドル 150.00ドル 75.00ドル
基本出願手数料 - 再発行(意匠CPA)
通常 小規模事業者 零細事業者
300.00ドル 150.00ドル 75.00ドル
割増し手数料 - 遅延した出願手数料、調査手数料、審査手数料、発明者の宣誓書または宣言書、または少なくとも1つのクレームまたは参照なしに提出された出願
通常 小規模事業者 零細事業者
160.00ドル 80.00ドル 40.00ドル
追加料金 - 遅延した仮出願手数料またはカバーシート
通常 小規模事業者 零細事業者
60.00ドル 30.00ドル 15.00ドル
3個を超える各独立クレーム
通常 小規模事業者 零細事業者
460.00ドル 230.00ドル 115.00ドル
3個を超える再発行独立クレーム
通常 小規模事業者 零細事業者
460.00ドル 230.00ドル 115.00ドル
20個を超える各クレーム
通常 小規模事業者 零細事業者
100.00ドル 50.00ドル 25.00ドル
20個を超える再発行クレーム
通常 小規模事業者 零細事業者
100.00ドル 50.00ドル 25.00ドル
複数従属クレーム
通常 小規模事業者 零細事業者
820.00ドル 410.00ドル 205.00ドル
特許出願のサイズ料金 - 100枚を超える追加の50枚ごとに
通常 小規模事業者 零細事業者
400.00ドル 200.00ドル 100.00ドル
意匠出願のサイズ料金 - 100枚を超える追加の50枚ごとに
通常 小規模事業者 零細事業者
400.00ドル 200.00ドル 100.00ドル
植物出願のサイズ料金 - 100枚を超える追加の50枚ごとに
通常 小規模事業者 零細事業者
400.00ドル 200.00ドル 100.00ドル
再発行出願サイズ料金 - 100枚を超える追加50枚ごとに
通常 小規模事業者 零細事業者
400.00ドル 200.00ドル 100.00ドル
仮出願のサイズ料金 - 100枚を超える追加の50枚につき
通常 小規模事業者 零細事業者
400.00ドル 200.00ドル 100.00ドル
非電子出願料 - 特許(紙で出願された出願の場合の追加料金)
通常 小規模事業者 零細事業者
400.00ドル 200.00ドル 200.00ドル
英語以外の翻訳
通常 小規模事業者 零細事業者
140.00ドル 70.00ドル 35.00ドル
300MBから800MBの配列リストの提出
通常 小規模事業者 零細事業者
1,000.00ドル 500.00ドル 250.00ドル
800MB以上の配列リストの提出
通常 小規模事業者 零細事業者
10,000.00ドル 5,000.00ドル 2,500.00ドル